2009-04-15

狐の剃刀

 京都を舞台に描かれる、耽美、魔的、狂おしく怖ろしい短編集。粘度の高い、濃く匂う言葉。読み手を追い立て、巻き込む独特のリズム。これぞ赤江節。

 「いさま まいる」と記された絵に、二条城の杉戸絵に描かれた鷺に、阿修羅像の姿に、象牙細工の扇に、十二星座を彫り込んだ緑青をふく銅の水鉢に、京の町に潜む幻めいたものに・・・ 深く、深く込められ、絡みついた人の想いが、その姿を現す出口を探すように蠢く。


 赤江氏の筆は、人の心に忍び込み、とり付いた魔をじりじりと描いてみせるが、人の深い深い部分に秘された鬼の姿を、顕かにはしない。長く心の中に守り、閉じ込めてきたモノは、また深く、深く、沈み、秘される。

 徹底して隠された情念、奥底に沈む真実の感触は、いつまでも離れない余韻として纏わり続ける。

FC2 Blog Ranking
スポンサーサイト

theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

やぶからねこ

Author:やぶからねこ

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

ブログランキング
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 漫画ブログへ
カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
検索フォーム
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
魂に喰い込んでます
月別アーカイブ
Powered By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ