2009-03-07

有頂天家族 : 森見登美彦

 この話、何か感覚的に物凄くかぶる。若い頃、私の支えであったあの曲と。
 
 ♪ 人~生~は 大~はしゃ~ぎ 子~犬のように~ 無力~ ♪(筋肉少女帯『人生は大車輪』)

 何か哀しいんだけど、ポカンと明るい。

 
 「狸であったらだめですか」

 狸に生まれたとて、人間の娘に恋をすることもあり、狸に生まれた以上、鍋の具材となることもある。まさに狸生は大はしゃぎ、毛玉のように無力・・・。

 狸界を束ねてきた偉大な父・下鴨総一郎の想いと、母の大きな愛に包まれ、天狗を師匠として育った、矢一郎・矢二郎・矢三郎・矢四郎の下鴨四兄弟。責任感が強く真面目だが土壇場になるとメンタル面の弱さを露呈する長兄。引きこもりで蛙に化けたきり元に戻れなくなった次兄。史上未曾有に化け力がお粗末な「尻尾丸出し君」である末弟。「高杉晋作ばりのオモシロ主義者」である私・矢三郎。

 父の偉大さを受け継ぎ損ねた、ちょっと無念な四兄弟。無念だとて、無力だとて、今日も都の空の下でコロコロと生きている。

 この世は、人間と狸と天狗の三つ巴でグルグル回る大車輪。思うに任せぬ浮世だけれど、身体に流れる阿呆の血の欲するところに従って、面白おかしく生きるに如かない。目の端に困難を捕まえていたって、僕らはブーツをピカリと磨いて、笑って行くしかないのだ。

 ちょっと哀しい。ポカンと明るい。何だか泣き笑い。

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こんにちは

TBありがとうございました。

毛深さいっぱい、まさに森見ワールドでしたね。
やぶからねこさんのおっしゃっているとおり、「泣き笑い」という言葉がぴったり当てはまる作品でした。

笑ってやり過ごすしかないこの切なさがたまりません。
続編が待たれます。
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