2009-01-03

怖い絵 : 中野京子

 中学生の頃、兄が貸してくれた新書~タイトルも著者も覚えていないけど、初心者向きの名画案内のようなもので、西洋絵画に隠された意匠、図像学に関することなどが書かれていた。兄は当時ファン・アイクにはまっていた。絵画に関する本を読んで面白いと思ったのはそれが初めてだったと思う。

 それからしばらくして澁澤龍彦の色々の著作で、幻想的だったり、不気味だったり、怖ろしいが興味をそそる絵というのに出合った。

 その他、絵にまつわる書物で最も印象深いのが、久世光彦氏の「怖い絵」。これは、絵そのものというよりも、絵から呼び起こされる記憶、感情、感覚の不気味さ、怖ろしさが、短いお話で語られるというもの。

 久世氏の著作と同タイトルのこの本、こちらは絵そのものの怖さを語る内容。

 見る者に恐怖を与えることを意図して描かれた絵、描き手の意図しないところで怖ろしいものを滲み出させてしまっている絵。何の予備知識を持たずに見ても根源的な恐怖を刺激される絵。描かれた時代背景、描き手の置かれた状況・思想などが分かって初めてじわりと怖さが忍び寄ってくる絵。

 ドガ「エトワール」、ティントレット「受胎告知」、ムンク「思春期」、クノップフ「見捨てられた街」他、ブリューゲル、ゴヤ、ボッティチェリ・・・色々な怖さを持った絵20点。

 隠された怖ろしいものを、指の隙間から見てみたいという好奇心を満たしてくれると同時に、知識と洞察力がなくては、ものを見誤ることがあるということを教えてくれる。

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theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

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