2008-11-22

梅原猛「神と仏」対論集第三巻 神仏のまねき : 梅原猛・市川亀治郎

 師弟と呼べる関係というのは羨ましいものだなぁ、と思う。プライドの高そうな亀治郎が梅原氏を師と慕い敬う様は、ほとんどインプリンティングされたヒヨコのようで、微笑ましいと同時に少し妬けたりする。梅原氏も自分の思想と魂を理解し、継承するに足る、才気溢れる若者の存在が嬉しくてたまらないご様子。

 お二方とも、ご自分の仕事、思想、そして自分自身というものへの自負は相当のもので、隠すことなくその自負を表明する。自分の価値を裏打ちする素養と実績を持った二人の口から発せられる自負の言葉は潔く、気迫に満ちて、しかも清々しい。

 そんなお二人が語り合う、芸能について、劇について~神と交感し神を降ろす芸能の呪力、劇・語りに含まれる仏の思想。

 鋭い理性でコントロールされていながら、“神がかる”~“憑依される”素質も強く持ったお二人の対論は、クールさと熱狂がミックスされてビリビリとする。

 お二人の接点でもあるスーパー歌舞伎・「ヤマトタケル」「オグリ」などについて触れられた部分も多く、そこでやはり気になるのは亀治郎の中にある歌舞伎というものが、どういうものなのか?ということ。このインテリジェンスと憑依体質を併せ持った役者がとらえている歌舞伎の姿ってどんなものなのか?

 その亀治郎が、歌舞伎には新しい理論が必要だと感じているらしい。

 「古い殻を破り、新しい歌舞伎を作る。」という意気込み溢れる言葉を聞くと、歌舞伎が既に持っている宝まで、傷つけるようなことにならないかと、つい不安になって身構えてしまう私だが、亀治郎の中で形作られつつあるもの ~ 新しい理論の下に生み出される歌舞伎 ~ は信じられる気がする。これまでの歌舞伎とは全く違うものでありながら、歌舞伎でしかありえないものが生まれ出てくる~その誕生の場には是非居合わせたいものだ。

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