2008-10-04

むかしのはなし : 三浦しをん

 5人の女を転がすホスト。最期の時が近づく中、自分に一番何も求めなかった女にメールで託す物語。(かぐや姫)

 飼い犬の散歩をしながら住宅地を眺めるうちに、空き巣の技術を身につけた男。(花咲か爺)

 あたしはあの人につくられた。恋をして、追いかけても追いかけても縮まらないあの人とあたしの距離。ただ、会いたい。会いたい。会いたい。(天女の羽衣)

 世界の終わりを前に、愛する女性を救おうと彼女を妻にした猿のような男と、彼を愛してはいなかった妻。(猿婿入り)

 暴力沙汰の噂が絶えずみんなが怖がるモモちゃんと、彼の部屋にたむろしている三人、真白・鳥子・僕。モモちゃんを囲んで過ごした最後の夏。(桃太郎)


 ・・・その他、「浦島太郎」「鉢かづき」など、昔話のシチュエーションを借りて語られる、或る人の昔語り。語る人物は名前を持たないけれど、語られるのは昔々の爺さん、婆さん、お姫様の物語ではなくて、「私」の物語。

 三浦しをんさんの小説を読んでいると、「ある一人の想いが、誰かに(正しく)伝わることはない」というきっぱりした諦めと、「それでも・・・」という切ない願いがせめぎあうのを感じる。

 何かを語り始めた人たち ~ 受け取る人がいるかどうかは分からない。まして何かが伝わるかどうかなんて・・・。それでも“語りたい”という願望が生まれた瞬間 ~ 彼らに訪れたその心の揺れを想うと、少し切ないような、潤んだような、苦いような・・・気持ちになる。

 私にも“語りたい”と想う時は来るかなぁ・・・。


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