2008-09-24

星のひと : 水森サトリ

 ある日、ある時、ある町の、ある家族の家に、屋根を突き破って落ちてきた一つの隕石。隕石落下事件の周辺で、一瞬交差する人の想い。

 「本当の自分」の生きる場所を探してあがく女子中学生(「ルナ」)。生まれることを望まれなかった息子、愛しているわけじゃない妻を守りきろうと、優しさの限りを尽くして頑張る男(「夏空オリオン」)。自分の心を偽らず、真っ直ぐに生きていこうとするく少年・耕平=ニューハーフ・ビビアン(「流れ星はぐれ星」)。

 それぞれ真摯に、一生懸命に生きている人たち・・・なのに、この“イラッ”とさせられる感じは何だろう? と、彼らの言動に触れて、何だか愉快でない気持ちになってしまう訳を考える。そして、あまり考えるまでもなく思い当たる~「何だ、この人たち結局みんな自分のことしか目に入っていないんだ。」

 考えてみれば、それは当たり前のことだ。どんなに大きな、どんなに沢山の人がいる世界に生きていたって、生きていく主体=世界の中心は何時だって自分なのだ。それは、広大な宇宙の中で、「自分」という星の上にたった一人で生きているなんていう状態に似ているのかもしれない。「自分」星の周りにちらばる他の人の星も視界に入れて、ちゃんと解ってるつもりにはなってるけど、所詮「他人」星からの眺めなんて、見たことも無ければ、解る訳も無い。


 時折、地球に隕石が落ちてくるように、遠く離れた星と星の間に小さなコンタクトが起きた時、ほんの一瞬実感するのだ。「他人」星にも「他人」星の眺めがあること。「他人」星から眺めれば、「自分」星も遠くに瞬く星の一つだということ。そして遠い距離を隔てていても、互いに互いを眺めていたこと。

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