2008-09-10

青空の卵 : 坂木司

 ひきこもり探偵が謎を解く! 一時期本屋の平積みでやたらと目に付いたこのシリーズ。どんな知的ゲームが展開されるかと期待したけど、ミステリとしては完全に期待ハズレ。謎の設定自体無理やり感があるし、謎解きの過程を楽しむってタイプの話でもない(論理的に謎を解くっていうより、直感がたまたま当たってるだけって気がする)。

 という訳で、早々にミステリとして読むのはやめた。そうすると、もうこれBLとしか思えない。男同士の恋愛云々っていうんじゃなくて、持ってる機能がある種のBL小説と同じ。(但し私の言うBLって一昔前のものですよ。最近のは読んでないんで・・・)

 普通であることにコンプレックスを持ち、風変わりな友人を持つことで心のバランスを保つ坂木と、そんな坂木の変わり者の友人、頭脳は大人心は子供なひきこもり探偵・鳥井。

 自分の欲しいものが鳥井の中にあるのを見つけ、ひたすら彼を求めちゃう坂木。友情・執着といったものと同時に坂木が鳥井に対して抱く罪悪感。

 誰にも必要とされなかった孤独の中で、唯一自分を求めてくれた坂木に完全に心をゆだねてしまう鳥井。ちょっと長めの鳥井の前髪。

 あまりに類型的・BL的なキャラクター造形。この二人を見ているだけで、軽くげんなりしてしまうのだけど、謎の主たる面々も心にどこか傷や弱さや幼さを持った人たちで・・・。

 そんで、その坂木、鳥井をはじめとした登場人物たちがよくしゃべる、実に饒舌に。しゃべらないと何も伝わらないっていう強迫観念に脅かされているかのように。「しゃべる」っていうハードルをクリアしさえすれば安心と理解と安定が得られると思っているかのように。

 自分の心の内を、不安を不満を想いを願いを、辛い辛い思いと葛藤と共に吐き出す。そしてこのお話の中では、吐き出された内容は必ず肯定される。限りなく優しいお話なのだ。

 心や身体が弱っている時は誰だって優しくしてほしい。一時、ハードな世間から守ってくれる繭が欲しい。そんな気持ちに応えてくれる優しいお話。そんな意味で、ある種のBLと同様に機能するお話・・・と思ったんだけど、誤読でしょうか?

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