2008-08-27

スカイ・クロラ

「スカイ・クロラ」 監督:押井守

 視覚的なイメージにあふれた森博嗣の小説を、実際に目に見える映像にすることの功罪、それぞれにあったと思う。

 キルドレは、具体的な姿を持ったことで、随分とその性質が変わっているような気がする。キルドレ…大人にならず、永遠に子供のまま戦闘機に乗り空を飛び、殺しあいを続ける運命。小説での彼らは、自我を少しずつ手放して、どんどん軽く研ぎ澄まされていく存在で、そこからは善悪も、喜びや悲しみの感情も最小限に削ぎ落とされていたけれど、アニメ版の彼らはキルドレという自らの在り方に感情を揺らす。

 同じ姿、同じ癖を持ったまま、違う名前で繰り返しやって来るキルドレ…なんて、映像にしてしまうと「そのまんま」すぎて何だかなぁ…と思う場面もあったけど、映像で見る事で、改めて胸を突かれるところもある。

 カンナミが降り立つ基地の様子。ミートパイの美味しいドライブイン。偵察飛行で眼下に見る風景。大きな作戦の為、各基地から集結し空を埋め尽くす戦闘機、爆撃機。…あまりにも、小説を読んで頭に描いていた映像そのままで、何度か不思議なデジャヴュに襲われた。

 圧巻はやはり空中での戦闘シーン。文字で読むだけでは受取りきることができなかったキルドレの現実~彼らの日常として永遠に続く、空の上での殺しあい~が、文字で伝えられる分量を大きく超える情報量で流れ込んでくる。


 菊池凜子の、もったりした喋り方は、地上に落ちていきながらも、いつも飛ぶことを切望していた原作シリーズのクサナギのイメージに合わず、聞いててジリジリさせられたが、アニメ版のクサナギ~長く生きて、他人に干渉することを覚えたキルドレ~には似つかわしい声だったかもしれない。
 
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