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2008-08-13

赤江瀑の「平成」歌舞伎入門 : 赤江瀑

 伝統芸能の世界を舞台とした妖艶・絢爛たる作品を数々世に出しておられる赤江瀑氏が「平成」の歌舞伎を語る。

 群雄割拠で盛況を呈する「平成」歌舞伎の現状について、当代の人気・実力派俳優の持つ花について、それぞれの芸に触れながらの解説。そしてその中から、歌舞伎の世界の側、観客の側にひそむ問題・・・懸念の種を示唆する内容になっているが、全体的に歯切れの悪い印象が残る。歌舞伎というものがそもそも歯切れよく語れるものではないのかもしれないが・・・。

 赤江氏の情念的な文章が、新書の文字サイズ、ページレイアウトで配置されると、どこか色気と言葉のパワーを削がれてしまうように感じるのは気のせいだろうか? また、「入門書」という形で歌舞伎への入り口を読者に提示することへの疑問・抵抗を感じておれれるようにもお見受けする。「鑑賞教室」や「入門書」で入り口を示すことは、それぞれの体験・感性に従って無限にも拓かれるべき歌舞伎の楽しみ方、その世界へ踏み込んでいく道を狭めることになるとの思いが、赤江氏の筆を止めているのではないか?

 やはり、赤江氏が歌舞伎について何かを書くなら小説で、その複雑怪奇で、なかなか正体を現さないその芸能が持つ魔力、美しさ、怖ろしさを存分に描いていただくのが最上ではないか。入門書で示す道よりはるかに険しくも誘惑に満ちた妖しの道を示してくれるのに・・・。

 歌舞伎を語り始める導入部分で「野郎歌舞伎」と呼ばれた時代の歌舞伎に思いを馳せる赤江氏の言葉が感動的。歌舞伎の世界を見渡して解説する後の章の文章よりも、赤江氏の思い入れが一点濃く現れるこの件が、私を含め読者にとっては一番刺激的なのではないだろうか。

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