2006-09-19

ラヴァーズ・キス : 吉田秋生

 鎌倉の県立高校を舞台にした6人の男女の「好き」という気持ちをめぐってのお話。

 「恋愛」というには何か違う、純粋に「好き」という気持ちだけの関係というのは、良くも悪くも小さな自分しか持っていない(言い換えれば自分の外に大きな世界がある)10代の頃ならではのものなのかなぁ。例えば、このお話の中にでてくる少年がこれから高校を卒業し、これまでよりはるかに沢山の人に出会って誰かに恋をしたとして、そして、自分が好きな人が好きなのは自分ではないと気づいたとしたら、高校生の時と同じように静かに綺麗な涙を流すだけで終わるだろうか。

 「好き」の中には未分化のいろんな気持ちが入っている。「憧れ」「恋」「尊敬」「同情」「所有欲」、ほんのちょっと隠し味として「嫉妬」とかも入っているかもしれない。それを「好き」とまとめて出す潔さは年とともに失われてるような気がしてなりません。

 少年・少女の「好き」のお話の裏には、肉親との関わりもちょっと顔を覗かせています。他人とは「好き」でつながり、「嫌い」で拒絶することができる。でも肉親との関係はそうはいかない。一見仲の良さそうな家族を持つ少女がもらす「あたしはあたしの家族が好きだよ でもだからってずっとあそこにいたいとは思わない 家族だからたまらないこともあるんだよ」という言葉には私も身に覚えがあります。親の庇護の下にあるときほどそんな風に思っちゃうんですよね。大人になって物理的に離れることによって、気持ちも親の庇護の下を出て行くのでなんとなく良好な関係を築いていけるようになるのだと思いますが。

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