2008-05-21

みだら英泉 : 皆川博子

 渓斎英泉という浮世絵師の描く絵がどんなものなのか、まったく知識はないのだけど、確か杉浦日向子さんが、「洒落で読んでもらわなくちゃ困るけど、全部が洒落ってわけでもないんだ・・・」と言いながら恋文を書いた相手が、この英泉~本名・池田善次郎~だったなぁ。

 江戸文化の爛熟期、英泉の描く女は、前衛的とも言える奇妙なプロポーションの中に崩れた色気、退廃美を湛えているという。そういう風に英泉を紹介する文章を見たこともあるから、狂ったように女と絵にのめりこみ、凄絶に破滅的に生きた英泉が描かれるのかと思いながらページを開いたが、意外にも・・・というか、そこに描かれる英泉は負けず嫌いで気持ちの良い若者と私には感じられた。

 女との色っぽいことが好きで、そういう意味できわどいことは多々あるけれど、世間に対してしっかり意地を張り、真摯に一途に絵の道を進む。誠実なところもちょっと見せたりする。

 猥雑な中にも逞しく、いっそ清々しいほどのエネルギーを漲らせた英泉。北斎とその娘お栄を描いた、杉浦日向子さんの『百日紅』を、英泉の側から描いたようだな、なんて思う。

 冒頭のシーンに出てくる大円寺の変化朝顔。妖しい姿で咲き乱れるこの朝顔のイメージがところどころに顔を出す。この朝顔のイメージに結びついている英泉の三人の異母妹~三者三様に英泉にからんでくるこの女達が、彼の周囲に情念的な色を添える。

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