2008-05-14

仲蔵狂乱 : 松井今朝子

 芝居の唄うたいの家に拾われた孤児・・・稲荷町と呼ばれる下っ端から、江戸三座で座頭をつとめる人気役者まで上りつめた初代中村仲蔵の生涯。

 芝居という特異な世界の中で、仲蔵が嘗める辛苦が、そして芸の道を登っていく華々しい姿が、単に苦難と成功の物語として描かれるのではなく、大きく振れる人の人生の振幅の中に丁寧に描かれ、肌触りの暖かい話になっている。

 仲蔵といえば、『仮名手本忠臣蔵』の定九郎の扮装をどてらのむさくるしい山賊姿から、黒紋付の裾を端折った浪人の姿に変える工夫をした役者。これが大当たりとなって、端役であった定九郎の役が現在のような格好よく色気のある人気の悪役になったという。歌舞伎のガイド本などで目にした事のあるこのエピソードが出てくる件は、読んでてちょっと嬉しくなった。

 歌舞伎の世界の闇の部分も見せながら、著者の筆には芝居をめぐる人々への夢見るような愛情が溢れている。

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genre : 本・雑誌

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