2008-02-20

飲食男女(おんじきなんにょ) : 久世光彦

 「怖い絵」、「花迷宮」など、久世光彦氏の文章を読んで感じるのは、西向きの部屋、濃い色をした夕陽、ねちっとした汗、花や果実の匂い、うしろめたさ、湿り気・・・。

 食べ物の記憶、感触とともに浮かび上がってくる女たちの姿・・・味覚・嗅覚・聴覚・視覚そして皮膚感覚すべてで感じる、現実と夢と妄想の間で描かれる19の掌編。

 私がこの本を読んだのは、うららかな春のことだったが、春の爽やかな風を感じながら読むのは相応しくなかったかもしれない。読むなら、春以外の季節(春に読むなら桜満開の中に限る)、夕暮れから夜中にかけてをおすすめする。

 これまで読んだ久世作品の湿度のもとは、じっとりと皮膚にぬめる汗だったように思うが、この19の掌編の中では汗とともに色々な雨が作品を濡らしている。うしろめたさの中に寂しさと悲しさ、少しのやさしさが感じられるのは、この雨の湿度のせいかもしれない。

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