2007-10-20

あやし : 宮部みゆき

 江戸の町人達の日々の暮らし、悲喜交々・・・それらに寄り添うように、また、ちょっとした心の綻びをつく通り魔のように姿を見せる怪しのものたち。

 身も凍るほどの怖ろしく、忌まわしい化け物が姿を現すこともあれば、どこかしみじみとさせる不思議なものたちに出会うこともある。全ての怪しのものたちは、人の心のなせる業と見ることもできるけど、不思議は不思議のままに“ああ、そういうこともあるのだなぁ”と、人外のものと境界を触れ合うように人々が暮らしていた江戸の街というのを想像してみるのも楽しい。


 お話しの背景となる人々のありふれた暮らし、あやかし出現の兆しとなる小さな事件や、人の心の中の秘密、わずかなしこり、そういうものを描写しながら、一見平穏に見える暮らしの中の小さな綻び目に近づいていく。読者の予感を煽りに煽る、演出効果を計算しつくした語り口には、“職人だなぁ”と感服します。


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『あやし』

宮部みゆき 『あやし』(角川文庫)、読了。 宮部ホラー時代小説。 どれもコンパクトにまとまっていて面白かったです。 やっぱり和のホラ...

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