2007-10-13

合葬 : 杉浦日向子

 江戸終焉の時・・・彰義隊に参加した少年達の「上野の戦争」前後を描いた作品。

 初めてこの漫画を読んだ時は、彰義隊といってもピンとこなくて、“時代が変わる大きな流れの前に、あたら若い命を散らした青・少年たち”という括りで、新撰組や白虎隊といっしょくたになった曖昧な認識しか持っていなかったんです。

 彰義隊のことをあまり分かってないのは今もあいかわらずですが、あの頃よりは多少の予備知識というか、イメージのようなものができていたので、今回は初めて読んだ時とはちょっと違う感慨を持って読めました。(以前読んだ、島村匠氏の「芳年冥府彷徨」で描かれていた、同じ時期の江戸の町の空気が私のイメージを膨らませてくれています。彰義隊が江戸の町で、また江戸の人にとってどういう存在だったのか等々)

 「合葬」は、たまたま時代の転換期に生きてしまった江戸の若者達の群像劇であり、杉浦氏の愛する「江戸」の葬送のための作品でもあるのですね。

 のびのびと咲き誇った「江戸」の花は、薩長という地方からの新しく激しい風に意外なほどあっけなく散らされていく。愛する江戸が葬られていく様を、杉浦氏はどんな気持ちで見つめられたのでしょう?

 物語前半で描かれる賑やかな宿場の様子と、終盤の上野の戦場の惨状を見比べると何だか胸が塞ぎます。

 
 勤勉で、真面目で我慢強く、力を蓄えてきた地方の勢力に破れてしまった江戸っ子の精一杯のへらず口。

 「上方のぜいろく共がやって来て
  とんきやう(東京)などと江戸をなしけり

  うえからは明治だなどと云ふけれど
  治明(オサマルメイ)と下からは読む」

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