2007-09-19

バイバイ : 鷺沢萠

 少々ややこしい生い立ちから、「人に嫌われないこと」=「人の顔色を瞬時に読み、その人がして欲しいと思うことをしてあげること」を本能的に術として身につけた主人公・勝利。

 唯一ほっとする気を抜いて付き合える存在だった祖父から渡された、「人間なんで、信じるもんでねえぞ。」という言葉。

 関わった人を“良い気持ち”にさせてあげることが生活の第一義である勝利は、自然と人気者になるし、優しいと言われる。自分の周囲が穏やかで楽しいということは、自分自身の幸せにも不可欠のことだけど、「人がして欲しいと思うことに応える」一方で「自分がしたいこと」は自分でも分からないほどに小さくなっていく。

 「人に嫌われない為の本能」にどんどんのっとられていく「自分であること」「自分だけの心」。
 
 三人の女性それぞれの“望むこと”に応えようとした時、当然のように破綻は訪れる。女達は本当はどうしたかったのか? 勝利は女達の何を叶えるべきだったのか? 勝利自身はどうしたかったのか?


 私も・・・かつてはよく「君はどうしたいの?」「自分の気持ちはどうなの?」と問われると、答えに窮してしまうタイプだったので・・・ちょっと冷静には読めなかった。


 人と一緒にいるってどういうこと?
 人を信じるってことは狂気の沙汰?

 人の中で生きて行く上で、他人を気遣うことは悪いことではないはず。他人から嫌われても全く平気という人は少ないはずだから、嫌われない為に多少自分自分の中で色んな“調整”をするのも自然なことのはず。その調度良いバランスってどこにあるんだろう?

 一緒にいたいと思う人が「望むこと」と自分自身が「望むこと」が食い違ってしまうとき・・・愛する人に「バイバイ」をするべきなのか? 自分の心に「バイバイ」をするべきなのか?

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