2007-07-11

大江戸歌舞伎はこんなもの : 橋本治

 学生の頃からちょくちょく観てはいたんですが、中村勘太郎のあまりの素敵さに、昨年から歌舞伎熱が再燃しておりまして・・・。

 とっつきやすいタイトルにひかれて読んでみましたが、親しみやすそうな語り口とはうらはらに内容はけっこう面倒で難解なことが書いてあります。・・・というか橋本氏の話の展開のさせ方ってかなりランダムなのでついていくのが大変。

 ここで言う「大江戸歌舞伎」は文字通り江戸時代の江戸の街で行われていた歌舞伎のことで、そこのところを現代の歌舞伎と混同してしまうと頭の中がえらく混乱するので要注意。

 本書ではまず、「江戸歌舞伎」の「定式」(じょうしき=ルール)、全体を統一する枠組である「世界」、舞台上と客席の心理的・時間的距離を表す「時制」といったことが語られます。一見荒唐無稽でムチャクチャな歌舞伎の展開、設定に関する疑問や違和感は(歌舞伎初心者の私は「何で平安時代の女性が江戸の武家の奥方の格好で現れるんだ?」とか「吉原の花魁・揚巻の間夫・助六の正体が鎌倉初期の人物・曽我五郎ってどういうこと?」・・・等々、これまで沢山の疑問を抱えてきたのです。)この歌舞伎の「世界」「時制」の解釈を読むと凡そ「ふうむ・・・」と納得されました。

 「江戸歌舞伎」のドラマ構成についての件は少し難解でしたが、強く印象づけられたのは、「江戸歌舞伎」のドラマを作った前近代人である江戸の町人と、現代人である私達のメンタリティは全く異質なものなんだなぁということ。

 時代劇や時代小説で感じる一般的な江戸の町人のイメージ・・・威勢が良くて人情にあつく、シャレがわかって、自由闊達・・・そういう江戸人への勝手な親近感でもって歌舞伎に触れると大きな誤解をしてしまいそう。・・・ただ、現代的娯楽として楽しむ分にはそれで良いんだとも思うけど・・・。

 この橋本氏の江戸歌舞伎考察を読んだ上で、では現代の歌舞伎は何なのか?と考えると・・・これはまたう~むと考え込んじゃう問題。


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【書名】 大江戸歌舞伎はこんなもの[文庫版]

[一覧] 書籍一覧 リスト未収録一覧 文庫版などの単著(蔵書) 2006.01 ISBN4-480-42179-3 【書名】 大江戸歌舞伎はこんなもの この本の要約 † ↑関連情報 † ↑この項目に関するオンラインリソース † レビュー・インプレッ..

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