FC2ブログ
2019-10-26

十蘭万華鏡 : 久生十蘭

『十蘭万華鏡』 久生十蘭

 久生十蘭初読み。

 欧州の街を舞台にした冒頭2篇を読んだところで、そに漂う躁的とも感じる高揚感は、渡辺温の作品に感じた都市の気分と似通っている気がして、「・・・時代、なのかなぁ・・・」と思う。

 ただ、渡辺温の小説には、都市の光と共にある闇や陰鬱さを描く暗いトーンがあったのだけど、十蘭の方は情愛、悲しみ、奇妙、不可解、滑稽、恐怖・・・何を書くにしても、ずっと目を見開きっぱなしでいるような異様なハイテンションと緊張感が続いていて、いったい何が起きているのか・・・と眩暈がしてくる。そして、ぐるぐると目を回している私を振り落として語りは終わる。


渡辺温『アンドロギュノスの裔』感想・・・http://neconohitai.blog71.fc2.com/blog-entry-561.html


 

FC2 Blog Ranking
スポンサーサイト



theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

2019-10-13

葵の残葉 : 奥山景布子

『葵の残葉』 奥山景布子

 尾張徳川家の分家である高須松平家に生まれ、『葵の末葉』として幕末を生き抜いた兄弟たち。

 尾張徳川家を継いだ慶勝。政局に翻弄されながら一橋家当主となった茂栄。会津松平家を継ぎ京都守護職となった容保。桑名松平家当主となり京都所司代に任じられた定敬。

 佐幕、勤皇、開国、攘夷・・・思惑や立場を違え、それぞれの役目と運命を担うことになる四兄弟。

 一つの現実が、見る者、聞く者、話す者の立場、思惑の違いによっていくらでも姿を変える世の中にあって、そこにあるものをそのままに写し記録する写真鏡がどこか悲しくも清々しさを感じさせるアイテムとして登場し、同時に、その写真鏡を愛する慶勝の想い、人となりを印象付ける。

 兄弟たちに襲いかかる運命を静かに写し取る筆致が切なく染み入ってくる。

・・・・・・

 以前、友人が徳川美術館でお殿様の撮った写真の展覧会を観たといっていたなぁ。また機会があれば、私もお殿様の写真を観てみたい。



FC2 Blog Ranking

theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

プロフィール

やぶからねこ

Author:やぶからねこ

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

ブログランキング
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 漫画ブログへ
カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
検索フォーム
カレンダー
09 | 2019/10 | 11
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
魂に喰い込んでます
月別アーカイブ
Powered By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ