2017-07-22

僕らの歌舞伎 先取り! 新・花形世代15人に聞く : 葛西聖司

『僕らの歌舞伎  先取り!  新・花形世代15人に聞く 』 葛西聖司

 読みながら、「長生きしたいな」と思う。

 尾上松也、中村梅枝、中村歌昇、中村萬太郎、坂東巳之助、中村壱太郎、坂東新悟、尾上右近、大谷廣太郎、中村種之助、中村米吉、大谷廣松、中村隼人、中村児太郎、中村橋之助。現在20代から30代前半の彼らの20年、30年後・・・40代、50代になっていく彼らをみていたい。

 今まさにほころび始めた歌舞伎の若手花形15人の「今」の言葉を聞くインタビュー。中でも印象的だったのは、歌昇さんの覚悟と男気、巳之助さんの硬骨ぶり、壱太郎さんの身の内に持って生まれているかのような華やかさ、右近さんの情熱的かつクレバーに役に取り組んでおられる姿勢、ストイックすぎるくらいに自分を追い込んでいるように見える児太郎さん、種之助さん、廣松さんの「弟」っぽさ(笑)。

 特に種之助さんってホント「弟」キャラ。兄の姿を見ているのである意味要領が良くて、兄の領域には侵入せず、かといって兄とかぶらない隙間を探しているような窮屈さはなく、割とのびのびと自分の世界を探っていっている感じ。

 種之助さん、廣松さんの「弟」っぽさにニヤニヤしながら、ふと七之助さんのことを思った。やはりかつては中村屋兄弟の「弟」キャラであった七之助さん。いつのまにか「弟」的立ち位置を脱却して、中村屋を背負う一人の男として大きく、逞しく、美しくなられたよなぁ。

 もひとつ最後に、「ワンピース歌舞伎」で大興奮させてもらった隼人さん。イケメンすぎる容貌からイマドキのスマートで優しげな青年をイメージしていたのだけど、意外にもインタビューから感じるのは骨太で獰猛なまでに前のめりな若者の姿。そう思ってみると、サンジって中身もふくめて隼人さんにぴったりの役だったんだなぁ。



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2017-07-08

ゆるりと江戸へ-遠眼鏡戯場観察 : 大原雄

『ゆるりと江戸へ-遠眼鏡戯場観察』 大原雄

 タイトルが良かった。

 『「歌舞伎の幾何学の勧め」-ひと味違う歌舞伎の見方』という口上で始まる本書。歌舞伎役者・中村時枝が舞台裏や楽屋から描いた役者絵を見たことで得た「違う場所から観れば違うものが見えるはず」という気付きをもとに、著者流の「幾何学」を使った歌舞伎「観察」指南書といったところを目指しているようだが・・・。

 「幾何学」というほど大層なものではなく、大道具・小道具といった舞台上に配された「点」、観客と役者を結ぶ「線」、舞台上の人物の関係性と観客を繫ぐ「多角形」、舞台上の時空を分ける幕という「面」・・・などの図形にことよせて、著者自身の歌舞伎の楽しみ方や気づきを思いつくままに記した雑記という感じ。

 一歌舞伎ファンの観劇雑記としては、劇場内の音や、色彩や、仕掛けに触れてこみ上げるワクワク感など、ふむふむと共感を寄せながら読むことができるが、読み漁っておられるらしい歌舞伎関係の書籍からの知識がそのまま透けてみえるような部分はあまり良い感じはしない。

 「鑑賞」への一助として、著者は双眼鏡などをつかって舞台上の細部を「観察」することを勧めておられるのだが、私は「好きな役者の顔がど~しても見たい!」という場合以外、オペラグラスなどは使わずに観ることにしている。オペラグラスなどを使うとどうしても視野が限られてしまって、舞台全体を観て楽しむことができない。毎月歌舞伎座通いができるならいざ知らず、年数回博多座での公演を観る機会しか持てない私は、双眼鏡で細部を観察するよりもやはり舞台全体を観たいと思ってしまう。

 観劇初心者といえども、好きで芝居を見ているものにはそれぞれ自分なりの見方、楽しみ方というものがあるんであって、正しい知識というものは必要だろうと思うけども、何をどう見るかについてまで色々意見されるのは・・・まぁ、余計なお世話っちゃあ、余計なお世話。

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