2016-09-24

その日の天使 : 中島らも

『その日の天使』 中島らも

 久しぶりにらもさんのエッセイを読む。この本自体は初めて手に取るが、内容はほとんど他のエッセイ集などに収められていたもので、何度か読んだことがあるものが多い。

 10代の後半から所謂「大人」になる頃までらもさんのエッセイをたくさん読んだ気がする。もうゥン十年も前のことなので、いつ何を読んだとか細かいことは覚えていないのだけど。思えばその頃は、私もそれなりにうっすらとした暗黒の中にいて、その中でらもさんの言葉を読んでいた。私の魂の何割かは、らもさんの言葉で養われたと思っている。

 ・・・と、私の血肉の一部とすら思っていたらもさんの言葉なのだが・・・、久しぶりに読んでみると何だかよくわからない・・・のだ。この言葉たちは、らもさんの何処から、らもさんが何を想って・・・生まれたのだろう? らもさんは何を見ていたんだろう?

 あの頃の私には、らもさんの言葉がわかっていたんだろうか? 独りよがりな共感をしていただけなのかも知れない・・・けれど、今よりは「わかって」いたようにも思う。らもさんの言葉の中に感じる、らもさんの「きれいさ」に私は救われ、守られ、養われていたのだろう。

 ユーモア、笑い、苛立ち、怒り、絶望、恋愛、病、薬物、中毒、仕事、生活・・・色々なものを語る言葉の中からキラリとこぼれる「美しいもの」に胸をうたれる。

 らもさんは私の天使だ。



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2016-09-10

すぐそこの遠い場所 : クラフト:エヴィング商會

『すぐそこの遠い場所』 クラフト・エヴィング商會

 あぁふ・・・心地良い時間を過ごした・・・。

 様々な種類の「白い紙」だけを販売する紙肆。永遠の夕方のような街の「本物の夕方」にだけ走る小さい列車と果てしなく長いプラットホーム。内部にみっしりと宇宙を充たした劇場。筆談のみで過ごす長い長い夜に食す幾皿ものオードヴル。夜光虫のように光る楽譜を手に森と荒野をさまよいながら世界を司る音楽をかなでる<かなでるものたち>。

 そんなものたちのことをとりとめもなく記したこの不思議な事典を開いている間、「私」という意識は消えて、AZOTH(アゾット)なる架空の世界で書かれた架空の事典を読む「架空の人」となって時をすごしていたようだ。

 つまりは私もこの事典に記されているような、AZOTHを訪れる「過客」になれたということだ。




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