2016-04-23

政と源 : 三浦しをん

『政と源』 三浦しをん

 「幼馴染もの」が続いてしまった。先日読んだ『泣き菩薩』が爽やかに甘い若者三人組だったのに対して、こちらは抹香と湿布の匂いを漂わせつつも甘い老人二人組。

 元銀行員の国政とつまみ簪職人の源二郎。

 定年後、妻子に愛想尽かしをされるほどの仕事人間で、傍から見て面白味がある風でもなく、色々と屈託を抱えているらしい国政が、生命力に溢れ、やることはハチャメチャだがとても愛情深い源二郎にめちゃくちゃ見守られてるっ。幼い頃に戦争で家族を失い妻とも早くに死別した源二郎は、明るく元気で人気者という外見の裏で、愛情を注げる相手にやりきれないほど飢えているのだ。

 ・・・王道だ。なんかこういうの、一昔前のBLの王道だったな・・・。さすがにこの二人はそういう展開にはならなかったけどな。

 国政が胸の内をいちいち全部言葉にするので、「しをんさん、そういうことはあまりあからさまにしないで、匂わす程度にしとく方が奥ゆかしいんでは・・・」と思ったりもしたんだけど、(源二郎以外には)誰にも伝わらない想いのいちいちを言葉にして噛みしめ孤独を深める国政をちょっと愛しく感じるのも事実。

 誰かと関わりたい、心を満たされたい、安心できる何かに身をゆだねたい・・・そんな精神状態に沁みる甘さとやさしさ。この甘さにじんわり目頭があつくなるようでは、ちょっと今わたし、ヤバいのか?

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2016-04-09

泣き菩薩 : 田牧大和

『泣き菩薩』 田牧大和

 なんて爽やかな、そしてなんて甘っむぁ~い時代小説なんだっ!

 いつも楽しませていただいているブログ『微萌★読書記録』さまの記事を拝読してからずっと「読みたい本リスト」に入りっぱなしになっていた田牧大和さんの『泣き菩薩』。やっと読むことができました。

 若き日の歌川広重こと八代洲河岸定火消同心・安藤重右衛門と彼の同僚であり年嵩の幼馴染でもある西村信之介、猪瀬五郎太。

 童顔に純真な心、十九歳という年の割に子供っぽいいじられ役にして、一度目にしたものは克明に記憶して忘れない天才画家の卵・広重。ちょっと気短で皮肉屋だけど、役者のような整った顔に火事場では頼りになる明晰な頭脳と判断力、「八代洲河岸の孔明」と渾名される信之介。気は優しくて力持ち、堂々たる体躯をもつ八代洲河岸きっての剛力、顔が広く面倒見のいい五郎太。

 とある寺でおきた菩薩像が燃える小火騒ぎの探索をきっかけに、連続する不審火の謎に関わることになった広重、信之介、五郎太。友情と信頼で結ばれた幼馴染三人組がそれぞれの魅力をフルに見せつけてくれます。三人の上司である与力・小此木さんとその愛馬「東風(こち)」の格好良さにも興奮することこの上なしです。


 それにしてもこの作品、読者層がどのあたりなのか気になる。

こちら↓の作品などは

 表紙イラストからしてそのスジの女性を狙っているようでもあるけど、『泣き菩薩』の方はちょっといい人情話風の表紙であるし(単行本の表紙は広重の浮世絵)・・・。もしも、通勤電車でよく見かけるような時代小説好きのお父さん方がこの作品を読んだら・・・この主人公たち三人の甘すぎる気もする幼馴染の絆を何と思うのだろう? それとも、男の友情ってわりとみんなこんな感じなの?



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