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2010-08-28

宵山万華鏡 : 森見登美彦

『宵山万華鏡』 森見登美彦

 古の百鬼夜行の都だもの。祇園祭の夜だもの。何が起きたって変じゃない。通りにひしめく露店。山鉾を飾り、露地を照らす駒形提灯。祭りの賑わいの中から、ふと異次元の不思議な「宵山」に足を踏み入れた人たち。

 京都の町を摩訶不思議な妄想空間に変えてしまうことにおいては当代随一ではないかと思われる森見氏の手によって溢れ出す奇天烈な「宵山空間」。めくるめく色彩、化け物めいたモノども、もがいても抜け出せない、美しくも怖ろしい夢を見ているような光景が眼前に繰り広げられる。ストーリーはさておき、この溢れ出るイメージに身を浸すのが良かろう。
 
 信楽焼の狸。招き猫。金太郎の張りぼて。空を泳ぐ巨大な鯉。生きた金魚を封じた金魚玉。羽子板を振り回す舞妓に髭もじゃの大坊主。雑居ビルや町屋の屋上を回廊がめぐり、「超金魚」を奉った「金魚鉾」が町を睥睨する「偽祇園祭」と、この世のどこかでいつまでもいつまでも“永遠に繰り返す宵山”。

 色とりどりに賑やかな祭りの喧騒の中の、どこか物悲しく怖ろしい薄闇。大切な人の手を放さないように、気をつけてお行きなさい。



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