FC2ブログ
2008-04-26

シュミじゃないんだ : 三浦しをん

 はぁ~っ お腹いっぱい。ちょっと胸焼け気味?


「趣味」じゃないんだ! 私にとって漫画を読むというのは、すでに「生きる」というのと同義語だ!


 魂の咆哮とともに、(ボーイズラブ)漫画について熱く(暑苦しく?)語ったエッセイ集。

 朝食のメニューが、ごはん、味噌汁、漬物、塩鯖・・なんていうラインナップだった時、塩分の取りすぎのせいか頭がクラッとすることがある。しおんさんも、ボーイズラブへの愛が血中にまわり過ぎたためクラッとしている頭の状態でこの文章を書き綴ってるんじゃないだろうか? 唾を飛ばし、熱に浮かされたように語るその言葉は、どこかもうまともな平衡感覚を保ったアタマではないことを感じさせるのだ(笑)。

 大層なボリューム、味のしっかりした素材、こってり手の込んだ味付けで、次々と並べられるシェフの思いいれたっぷりの料理・・・。「そろそろ、お口直しの柚子風味のシャーベットを・・・」などと思う私の前に、「まだまだぁっ」とメイン級の料理が。・・・なんだか酸っぱいものがこみ上げてきた。

 ああ、やっとデザートか・・・と思ったその矢先、おまけの書き下ろしボーイズラブ小説「夏の思い出」は、デザートどころか、トドメのフォアグラソテー(と言っても、ちゃんとしたものは食べたことの無い私だが)だった。しをんさん・・・短編の中に好みの設定、シチュエーションを詰め込みすぎだよ~! それに漫画の中の還暦より、小説における還暦は圧倒的にリアルです! いくらオヤジ好きといっても、乙女の幻想を粉々に粉砕しては・・・。

 私は、このエッセイ集で俎上に上ったBL作品・BL作家どれも馴染みはなかったのだけど、多分しをんさんは、その作品、作家の魅力を、残念ながらご自分の文章で表現しきれなかったんじゃないだろうか? 書ききれないもどかしさに身悶えする彼女の姿がそこここにある。

 しをんさんの熱い愛と推薦の言葉に背中を押され、ボーイズラブの大海原へと旅立つ人、荒すぎる鼻息に恐れをなして遠巻きにする人・・・もしかしたら後者の方が多いんじゃないか?という危惧まで抱かせるアツ(クルシ)イ一冊。


 ・・・ところで・・・

 しをんさん、このエッセイの連載を始めるにあたっての第一章冒頭で、BLANKEY JET CITYの「ライラック」という曲に触れられていて・・・そのことが一番私のツボを刺激したんですな。

 「C.B.Jim」というアルバムに収録されていたこの曲

 日差しは明るい真冬の日、僕は友達と二人で道を歩いてる。僕たちの吐く息は真っ白。僕は嬉しすぎて、時々道路標識を蹴飛ばしちゃったり・・・

 「僕」が繊細でクールでちょっとひねくれた10代の少年なのか、それとも、しをんさんの言うように、今まさに人を殺してきた28歳のヤクザなのか・・・それはわからないけど、とにかく、僕の隣を歩く友達はとてもきれいな心を持っていて、僕はもともと花になんて興味なかったんだけど、「ライラックってどんな花だろう? 多分、赤くて5センチくらいの冬に咲く花・・・」なんて思ったりするのだ。

 
 とにかく物凄い名曲で聴くたびに鼻の奥がツンとする。

 「ライラック」の「僕」と「ともだち」の姿が冒頭に据えられているということ、「僕」の純粋さ思うたび、しをんさんの目が涙に濡れるのだということを知ったこと・・・それだけで、私にとってはこのエッセイ集を読んだ価値がある。

FC2 Blog Ranking
スポンサーサイト



theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

プロフィール

やぶからねこ

Author:やぶからねこ

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

ブログランキング
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 漫画ブログへ
カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
検索フォーム
カレンダー
03 | 2008/04 | 05
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
魂に喰い込んでます
月別アーカイブ
Powered By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ