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2007-12-05

殿さまの日 : 星新一

 12月のイベント!と言えば「赤穂浪士の吉良邸討ち入り」が上位に食いこんでくる私。吉良側の視点から描いた一風変わった「忠臣蔵」が収録されているということで、ある方に紹介していただいた短編集です。

 江戸・・・封建制度、幕藩体制という万全のシステムで支えられた「天下泰平」の世の中。全体的に見れば、日本の歴史上かつてなく長い平和な時間 - 世は全て事もなし。でも、その「平和維持システム」につながっている善男善女に視線をあててみると、胸には燃やしきれない、小さな小さな何かを抱えて・・・。

 「お家安泰」の使命を背負い、「先代」から「世継」への中継役としてしか生きられない田舎の殿さまの、淡々とした独白が切ない「殿さまの日」

 名君だった吉良のご隠居様が赤穂の浪人たちに殺された! 仇討ちに盛り上がる江戸の人々に、煮え切らない幕府の態度。こんな世の中は理屈に合わぬ!と町人上がりの吉良の忠臣・良吉がひと暴れ・・・「ああ吉良家の忠臣」

 地味に真面目に下級の藩医の仕事を務めた父。出世のため、薬草を悪用した詐欺まがいの手口を使うなど、欲深で汚い面も持ちつつも、優れたバランス感覚で、医者としての仕事にもそこそこの成果を残し、民衆から愛されたその息子。長崎で西洋医学を学び、理想に燃えながらも、そのゆるぎない信念ゆえに藩の人々とぎくしゃくし、ついには小さな失敗で人々の信用も禄も失ってしまったそのまた息子。・・・「藩医三代記」

 ・・・ 

 システムにうまく乗っかる人。システムにはまり過ぎちゃう人。システムからはじき出される人。システムのひずみに落ち込んでしまった人。それぞれに、どこかすきま風が吹いていくような心の中で浮かべる、泣き笑いの表情が見える12編。

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theme : 歴史・時代小説
genre : 本・雑誌

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