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2007-06-23

猿丸幻視行 : 井沢元彦

 万葉の歌人・柿本人麻呂の挽歌に隠された暗号が、正史からは抹消された日本古代史の闇を語る。猿丸一族によって一千年の長きに渡り守られてきた謎に、若き日の折口信夫が挑む。

 この小説を初めて読んだのは中学生の頃だったか・・・。それこそページを捲るのももどかしく、教科書で目にした事のある、有名な柿本人麻呂や猿丸太夫の歌の中から次々と暗号が浮かび上がってくる様に手に汗を握ったものだ。

 改めて読んでみて、多少こじつけ臭い部分を感じるものの、暗号解読から導きだされた答えが歴史の闇とリンクしていく様はスリルに満ちていて、ページをめくる手が止まらない。

 「いろは歌」の隠し文字、「とかなくてしす(咎無くて死す)」が作品序盤で出てきた時点で私なんか“ふぉぉぉぉ!”って興奮しちゃいましたよ!(良く知られた話のようだが、私は知らなかった!)

いろはにほへ
ちりぬるをわ
よたれそつね
らむうゐのお
やまけふこえ
あさきゆめみ
えひもせ

 民俗学者・折口信夫が探偵役を務めるというのもこの小説の魅力なのだが、作中の設定では現代のある青年が“意識を分離して過去の人物の意識と同化することにより時間旅行を可能にする”という新薬の力を借りて、折口信夫の意識に同化している・・・ということになっている。しかし、この設定、あまり作品中で活かされていないような・・・。さらに、この話の大前提である“柿本人麻呂=猿丸太夫”ということの根拠も、梅原猛氏の著作「水底の歌」に拠るところが大きくて、作者独自のアイデアとしては少し弱い気がする。その辺りが読後の違和感として残る。

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