2011-04-06
ファンシイダンス : 岡野玲子
『ファンシィダンス』 岡野玲子
80年代・・・その頃やっと私は物心ついたと言ってもいい(もちろん実年齢の上での話しではなく)。その物心ついたばかりの私に、パラノイアックなまでに様式化されたお山の生活の美しさ~その理不尽さや過度な様式美に隠された合理性、若いお坊さんたちのスタイリッシュで色っぽい法衣姿・・・何か色んなものを強烈に刷り込んでいった漫画『ファンシイダンス』。
東京で一人暮らしを始めたばかりの私の目に、DCブランドに身を包み、都市文化を享受して、ディスコやライブハウス、オシャレなカフェで華やかに遊び暮らす陽平くんと仲間たちの姿がまぶしかった。
私は陽平くんになりたかったの。
優しくて、賢くて、お茶目で、したたかで、ハンサムで、真朱さんみたいなとびきり美人で面倒臭い女の子に恋し恋されながら、田舎のお寺の跡取り息子という重~い枷をものともせず、オシャレな都会暮らしも、浮世を離れたお山の厳しすぎる修行生活も、恥も迷いも苦悩もぜんぶ込みで、あ・かるくこなしちゃう。真朱さん曰く、『真面目で、正直で、善人だって立派な下地がありながら、悪趣味で悪食でやらしい』陽平くんに、私はなりたかった。
お山での修行生活の中で、気の遠くなるような時間と空間の広がりや、宇宙規模の真実や、底なしの孤独を垣間見てしまった陽平くん。
『散り乱れるも仏性さ!』と穏やかに微笑みながらも、陽平くんが、世の中にだけじゃなく自分の内にもある無理解や不寛容に傷ついていたことも今は少しだけわかる。
20数年前、陽平くんのようになりたくて試みたあれやこれやが悉く恥ずかしい失敗に終わった後も、陽平くんはずぅっと私の憧れであり、指針でありつづけている。
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80年代・・・その頃やっと私は物心ついたと言ってもいい(もちろん実年齢の上での話しではなく)。その物心ついたばかりの私に、パラノイアックなまでに様式化されたお山の生活の美しさ~その理不尽さや過度な様式美に隠された合理性、若いお坊さんたちのスタイリッシュで色っぽい法衣姿・・・何か色んなものを強烈に刷り込んでいった漫画『ファンシイダンス』。
東京で一人暮らしを始めたばかりの私の目に、DCブランドに身を包み、都市文化を享受して、ディスコやライブハウス、オシャレなカフェで華やかに遊び暮らす陽平くんと仲間たちの姿がまぶしかった。
私は陽平くんになりたかったの。
優しくて、賢くて、お茶目で、したたかで、ハンサムで、真朱さんみたいなとびきり美人で面倒臭い女の子に恋し恋されながら、田舎のお寺の跡取り息子という重~い枷をものともせず、オシャレな都会暮らしも、浮世を離れたお山の厳しすぎる修行生活も、恥も迷いも苦悩もぜんぶ込みで、あ・かるくこなしちゃう。真朱さん曰く、『真面目で、正直で、善人だって立派な下地がありながら、悪趣味で悪食でやらしい』陽平くんに、私はなりたかった。
お山での修行生活の中で、気の遠くなるような時間と空間の広がりや、宇宙規模の真実や、底なしの孤独を垣間見てしまった陽平くん。
『散り乱れるも仏性さ!』と穏やかに微笑みながらも、陽平くんが、世の中にだけじゃなく自分の内にもある無理解や不寛容に傷ついていたことも今は少しだけわかる。
20数年前、陽平くんのようになりたくて試みたあれやこれやが悉く恥ずかしい失敗に終わった後も、陽平くんはずぅっと私の憧れであり、指針でありつづけている。
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