2013-07-20

どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか : みうらじゅん リリー・フランキー

『どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか』 みうらじゅん リリー・フランキー

 男の人の男好きには何か根深いものがあるんだろうか?

 「人間関係」についてのお二人の会話を見ていると、男友達との関係への憧れ、信頼、執着・・・何かそういうものが強くて・・・。男の友達を間にはさんだ時の、相手の恋人なり、妻なりへの嫌悪というか、敵意のむき出しっぷりに、ちょっとひく。

 お二人にとって女って「自分とは違うもの」っていう一群で、その中の一人ひとりに対しては基本的に「具合の良い相手」と「それ以外」っていう差別化しかなされていないみたいだなぁ。現実には社会的マナーとしてもう少しデリケートな対応をされているのだとは思うけど。

 先日読んだ橋本治の『あなたの苦手な彼女について』に、『男にとっての「男女平等」とは「どうでもいい女」をどう位置づけるかということ』である、というような言葉があって、それを読んだときには正直いって「そういうもん?」と全然ピンときていなかったのだけど、みうらさん、リリーさんのおしゃべりを見ていると、にわかに橋本氏の言ってることが体温をもったリアルなものになった気がしたよ。


 リリーさんはともかく、みうらさんにはエッセーなどを読んで「こういう風にありたいなぁ」と憧れるところもあっただけに、女としては少し寂しく感じるものもあるんだけど・・・「女性のブラのカップみたいに男性のパンツに“数値による特徴の記号化”が起こったら、男の生き方がまったくかわっちゃう」とか、『ボーダーを着はじめると天才に近づく』なんて言葉は、居酒屋でのバカばなしのようでいて、潜在意識に刻まれていつか人生の糧になってくれそうな気がする、マジで。




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2012-02-25

マイ仏教 : みうらじゅん

『マイ仏教』 みうらじゅん

 諸行無常 諸法無我 色即是空 すべてのものは変わりつづける。不変の実態をもつものなどなにもない。

 『さよなら私』を読んだとき、「自分なんて見つけてるひまがあるのなら、少しはボンノウを消そうとする『自分なくし』のほうが大切じゃないでしょうか?」という言葉を、たくさんの「自分探し」を経てきたみうらさんだからこそ言える、良く生きていくための“生活の智恵”くらいに考えていた。それで“やっぱり「自分探し」もしないうちから「自分なくし」なんて言っちゃいけない。”なんて思っていたのだ。

 でも、みうらさんのいう「自分なくし」って、そんなレベルのものじゃなかった。「ご機嫌とり」で修行し、「そこがいいんじゃない」をお念仏とする、みうら流の仏教実践法を説く、情けないほどに優しい言葉の行きつく先には、かなり怖いヴィジョン ~ 諸法無我・・・それこそ那由多だの恒河沙だのいう単位の広大な因果の海に溶けてただよう個ではなくなった「自分」・・・そんなヴィジョンが見える。

 自分の心をがんじがらめにして苦しめるさまざまな欲望を捨てるのではなく、良いことも悪いことも色んなことを欲望してしまう「自分」をなくしてしまおう。・・・それでは、その修行が成就した暁には人ではないものになってしまう。・・・まぁ、仏教は仏になることをめざすものかもしれないけど、まさかみうらさんは成仏をめざしているわけではないんだろう。だから、人として生まれて生きていることと、一切の執着を捨てようとした釈迦の生き方とのギャップに悩んだりするんだろう。

 仮にお釈迦さんが結婚生活も子育てもキープした状態で、悟りを得たら、その後の仏教も大きくかわっていたかもしれません。



『さよなら私』感想 http://neconohitai.blog71.fc2.com/blog-entry-429.html


 

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2010-11-06

アウトドア般若心経 : みうらじゅん

『アウトドア般若心経』 みうらじゅん

 一文字ずつ撮影された般若心経を見て感じるのは、みうらさんは心底救いを求めたんだなぁということと、お経として完成した一文字一文字に、苦しみだけでなく、やはりどこか可笑しさが漂っているなぁということ、そして仏教には、藁にも縋る思いを掬い上げる色々なアイテム・ノウハウが沢山用意されているのだなぁということ。

 苦しみのあまりみうらさんがとった行動が、般若心経の一文字一文字を街の看板から写し取るという、傍から見れば強烈にみうらさんを感じさせる、みうらさんならではの可笑しさに溢れる旅で、でも、みうらさんにとっては、そのひたすら文字を追う旅がいつしか“無心”をもたらす“修行”になっていたなんて・・・  ああ・・・ 

 仏教は本来とても個人的な体験、個人的な思索なのだろうと考えると、みうらさんは現代における本当に素朴な仏教の実践者ではないか。



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2010-08-04

さよなら私 : みうらじゅん

 仏教の教えはよく分からないけれど、多分「空」ということを現代の生き方に実践的に取り入れるとしたらこういうこと。

 “すべてはない”・・・“ある”と思っているものだって、みんな脳が作り出したものであって、実態なんてない。幸せも不幸も愛も悩みも夢も“自分”というものすらも、“そもそもはない”。

自分なんて見つけてるひまがあるのなら、少しはボンノウを消そうとする「自分なくし」のほうが大切じゃないでしょうか?

 
 みうらさんは“何もない”と悟って楽になろうと言っているんじゃない。“何もない”と「あきらめることから始めよう」~ 「なにもない、なにもない」と唱えながら面倒ごとにまみれようとしてる。そもそも何も無いのであれば、何があったっていいじゃないか。面倒なことに巻き込まれたって「そこがいいんじゃない!」って呪文を唱えながら行こうと言っているのだ。


 でもねぇ、“あきらめることから始める”、“「自分探し」より「自分なくし」”って、魅惑的なだけにちょっと危ない言葉じゃないかなぁと思ってしまう。

 そんなことを思っている私の頭の中に、「BLEACH 17巻」での恋次と一護の台詞が響く。

 誓ったんだよ・・・

 ・・・誓い・・・だと? 誰にだ

 誰でもねえよ… ただ 俺の… 魂にだ!!!!


 この台詞を読んで、“いつか俺も自分の魂に誓える男になりてぇ~”と憧れるのはいいけど、安易に自分の魂に誓っちゃったりするといけない。ほとんどの凡夫にとって自分自身なんて一番簡単に裏切れちゃうものだったりするから。

 誓うに足る自分が出来る前に、自分になんか誓っちゃいけない。
 何もないと知る前に、「何もない」という言葉を知っちゃいけない。

 だからやっぱり、始める前からあきらめない方がいいんじゃないかと思うし、「自分探し」もしないうちから「自分なくし」なんて言葉知らない方がいい・・・と思う。

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2010-05-22

みうらじゅん対談集 正論。 : みうらじゅん

人はそれぞれだっていうけど、そんなのつまらない。


 出会い頭に、心臓を“ぎゅうぅっ”と掴まれちゃう・・・そんなことがあるのだ、みうらさんから漏れてくる言葉には。

 “人それぞれ”・・・それはそれで間違っちゃいないし、“人はそれぞれ”だってことを分かってもらえないと、もの凄く嫌だけど、“人それぞれ”って全てを許容した振りなんかして・・・もしかしたらものすごく面白くて魅惑的かもしれない面倒ごとから逃げてるだけじゃないの?

 人それぞれな中にも、似ていたり、分かり合えたり、違ってて喧嘩になっちゃったりする“あるとこ”。

で、あるとこって、どこだといえばうまく言えない。何だかとってもうれしいとこなんだろうけど、目に見えないとこだから“ここだ!”って、示せない。


 みうらじゅん氏の“あるとこ”確認作業でもあるような、36人との対談集。親密な雑談を交わす二人の間の空気にまでは、なかなか入って行けないとこもあるのだけど、関係を作ろうと努力するみうらさんの姿勢や、みうらさんとそれぞれの人がナニで繋がっているのかほんのりと感じられたりして、少しばかり気持ちが暖かくなる。

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2006-12-27

新「親孝行」術 : みうらじゅん

 ある程度成長してくると、親というのは厄介なものになってくる(苦笑)。育ててくれた恩があるので決して頭はあがらないし、一緒に暮らしてきた情もある。それでも、こちらにもそれなりに主張というものが芽生えてくると、「親子ほど歳の離れた」者同士の世代間ギャップはやはり埋めがたいものとして存在して、相容れることがない。なまじ親が自分を思ってくれることで、話がややこしくなったりもする。

 みうら氏の家庭は、毎日ボケとツッコミの声が響く面白一家だったんじゃないか・・・という勝手なイメージを持っていたのだが、世の息子・娘達と同様に氏も親に対しては屈託を抱えておられたようだ。親子の距離感に戸惑い、「何で自分の親なのに優しく接することができないんだろう」と悩んだりもしたんだろう。

 その答えが「親孝行プレイ」として結実したわけだ。心は無くともまず行動。形式はいつか実を伴ってくる。難題を乗り越えるため知恵をしぼり、面白ネタとして提示までしてみせるみうら氏の姿勢って凄い。

 面白く、読みやすくこの本を仕上げるまでには、長い血まみれの棘道があったことと思う・・・。

 この本、終わり頃に特別講師としてみうら氏の仏友・いとうせいこう氏が登場する。もちろんファンとしては嬉しかったのだが、どこか小賢しくて(年長の方にこういうのも失礼ではあるが)、そこがまた面白い。

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2006-12-16

青春ノイローゼ : みうらじゅん

 「オレは今でもスウィート過ぎる夢と、センチメンタルなメロディを持っている。」

 ページ開いてすぐ、「はじめに-」に書かれたこの一言にズキューンとやられてしまいました。

 「マイブーム」「いやげモノ」「とんまつり」「親孝行プレイ」・・・深夜放送的にバカバカしく面白いテーマを携えてはメディアに登場するみうらじゅん氏。あぶないような可笑しいような、妙に面白い妖しげなおじさんという認識でしたが、そのキャラの中には「理想のオレ」が隠されていたんですね。

 常に主役でないと気がすまないという自分と比べて、脇役であるのにその自然体な存在感で主役を喰ってしまう“岡本信人的”な人にスポットを当てる「信人的」。 自らのマイブームをたどる「マイブームの旅」。青春の足跡探し「俺だけの旅」。

 その旅は十分にセンチメンタルでウェットでスウィートなはずなのに、どうしても可笑しくなってしまうのはやはり「理想の俺」コンプレックスをどうにかごまかそうとするからなのか?

 本書ではそんな「自分探しの旅」を書いたみうら氏、近年は「自分探し」ではなく、「自分なくし」を提唱されているようだ。


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