FC2ブログ
2018-11-10

UNDER THE SILVER LAKE

『UNDER THE SILVER LAKE』  監督:David Robert Mitchell

恋に落ちた美女の突然の失踪。オタク青年サムは、暗号解読、都市伝説、サブリミナルなどの知識を活かし、光溢れる街、LA<シルバーレイク>の闇に近づいていく――――

ようこそ、謎と陰謀に満ちた街へ。
 
 消えた美女の姿を追って、街に溢れるメッセージ、映像、音楽に隠された意味を探るサム。この街には一部の人間しか知らない秘密がある・・・。
 
 何してるンだよ、アンタ・・・。だから・・・また、もぉ、なにを・・・

 何もそんなとこに迷い込まなくても、君はちゃんとしようと思えば、ちゃんと生きていけなくもないんじゃないの? いい男なんだし・・・。だから、変なパーティーにばかり行ってないで・・・家賃払えよ。

 それ、別に暗号とか陰謀とかじゃないから、多分。(・・・でも、もしかしたら・・・ ほんのちょっとしたことで世界はぐるりと裏がえるのかもしれない。)

 見たいもんも、見たくないもんも、愛も悪意もごちゃ混ぜのポップな暗黒ムービー。


 長かった・・・。何か、もう、長かった。 上映時間2時間20分。『銀魂2』とほぼ同じ長さだったとは思えない。もう3時間以上観つづけてるんじゃないかって気がした。

 でも、その長い時間が耐え難かったってわけではなくて・・・。ぬるっとした生温かい感情に浸ってスクリーンに見入ってた。

 解ったか?といわれると、かなり解んなかった。好きか?ってきかれると、多分、好きじゃない。

 でも、この2、3か月の間で、映画館にたくさん置いてあったチラシの中から持って帰ろうって気持ちになったのはこの作品のだけだったし、「『銀魂2』観すぎてお小遣いが厳しい今、観るのか? 本当にこの映画観るのか? どうしても観たいか? 後悔しないか?」と何度も自問自答した挙句に「・・・観る」って思ったんだし、今も続いているこの「ぬるっと生温かい感情」に塗れているのも悪くはないと感じている。

FC2 Blog Ranking
スポンサーサイト

theme : 映画感想
genre : 映画

2018-10-20

スティグマータ : 近藤史恵

『スティグマータ』 近藤史恵

 サイクルロードレースの世界を舞台にした『サクリファイス』シリーズ4作目。

 僕~白石誓(チカ)がヨーロッパに渡って5年。ロードレーサーとして成熟度を増し、強さのようなものを感じさせるようになったチカの姿が見られる。と同時に、『エデン』で初めてツール・ド・フランスを走っていた頃には、苛酷な苦しみの中でも憧れや喜び、高揚感でキラキラと眩く輝いていたチカの景色に、うっすらと夕焼けの赤い色がさしてきたようだ。

 
 かつて圧倒的な実力とカリスマでロードレース界に君臨しながら、ドーピングによって全ての栄光を剥奪された「堕ちた英雄」の突然の復活。今なお圧倒的な存在感を放つ「英雄」の、消えない黒い噂と周囲をかき乱す言動に不穏な空気が広がる中、ツール・ド・フランスが幕を開ける。

 シリーズのこれまでの作品に比べ、ストーリーのテンポがどこかぎくしゃくしているように感じるのだけど、いつものようにチカたちの見る風景、スピードを楽しみながら読む。今作では、ロードレーサーたちの『物語』に視線が向けられる。好むと好まざるとにかかわらずレーサーたちが帯びる、また彼らに求められる『物語』。


 オッジでチカのチームメイトだった伊庭もついにツール参戦。鳥肌ものの走りと、ちょっとだけ初々しい姿、そして男前な啖呵を見せてくれます♡


 

 

FC2 Blog Ranking

theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

2018-10-06

科学するブッダ 犀の角たち : 佐々木閑

『科学するブッダ 犀の角たち』 佐々木閑

 科学と仏教学の両方を修めた著者が、科学と仏教それぞれが究めようとする世界と、その関連性、親和性を説く。

 第一章~三章で物理学、進化論、数学が進んできた道とこの先の展望に触れ、第四章で絶対的な超越者の存在を想定せず、自己の努力のみで真理に到ることを目標とする仏教~その成立と特徴、科学との親近性を語る。第五章では時代が進むにつれ多様化し広まっていった大乗仏教について。

 物質世界の真理を探究する科学の進歩が世界観の更新をくりかえし、いま明らかにしつつあるのはどういう世界なのか? 釈尊が説いた最初期の仏教は、科学がその進歩の過程で決別してきた「神=絶対的超越者」の存在を前提としない宗教であったこと。それぞれに世界の法則性を明らかにしようとする人間活動である科学と仏教の共通性について。将来、科学と仏教の間に接点が生まれるとしたら、それはどのようなものである可能性があるか。・・・等々。

 科学にしろ仏教にしろ、足を踏み込むには膨大な脳の容量ととんでもなくタフな思考力が必要だろうに、その両方に一度に触れようだなんて・・・。“一度読んだくらいじゃ到底理解できるようなものじゃないだろうな”と覚悟して読み始めたのだが、意外や、著者自身が「科学を語る上では禁じ手」という例え話を随所に織り込んだ平易な語り口で、全くの素人でも「何となく解ったような気持ち」にさせてくれる。

 ただ、「何となく解ったような気持ち」ってことは一方に「多分、全然解ってないな、私。」って思う気持ちもあるわけで、一つ一つ事実を積み重ねるような緻密な論考を展開するのではなく、ポイントだけをまとめ、例え話で一気にカタをつけてしまう語り口には「科学にせよ、仏教にせよ解説のしようが大づかみすぎるのではないかな」とか「果たしてその例え話は事の本質をしっかり押さえた例え話なのだろうか?」・・・なんて、素人なだけに自分の疑問が妥当な疑問なのかどうかもよくわからないモヤッと感も残る。

 あとがきの中に著者の『最初期の釈尊の仏教を知れば知るほど、科学がなつかしく思えてくる。』『仏教研究の中に、科学のデジャビュを見る。』という言葉がある。カバーの紹介文には「科学と仏教。 ~中略~ 両者が向かう先を徹底した論理で探究。」とあるが、本書は論理的というよりむしろ、科学者に憧れ科学者への道も歩んでいた仏教学者である著者の情緒的なものが濃く滲んだ一冊ではないかと思う。




FC2 Blog Ranking

theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

2018-09-22

髑髏検校 : 横溝正史

『髑髏検校』 横溝正史

 この横溝正史の手による和製ドラキュラ小説、歌舞伎化を想定して書かれたか、ないしは歌舞伎の舞台を頭の中に描きながら書かれたか・・・。まるで読む歌舞伎といった趣の伝奇時代モノ。 歌舞伎座で花形役者の競演を観ているような気分でとってもワクワク、夢のひと時を過ごしました。

 文化八年正月、房州で揚がった鯨の腹から瓶詰の書物が現れる発端から、長崎留学中の蘭学生・鬼頭朱之助が西海の孤島で体験した髑髏検校の怪異を語る序幕。やがて江戸に姿を現わした髑髏検校が巻き起こす凄惨な事件の数々と、それを阻止せんとする鳥居蘭渓と三人の美剣士たち。読みながらず~っと配役考えてました。

 美しき吸血鬼・髑髏検校は幸四郎さん、その眷属・松虫、鈴虫の上臈二人は七之助さんに児太郎さん。髑髏検校の餌食となる美女たち~将軍家斉の姫君・陽炎姫は梅枝さん、その腰元・琴絵は尾上右近くん。ヴァン・ヘルシング役鳥居蘭渓に芝翫さん、三人の美剣士~蘭渓次男・前髪の美少年縫之助に隼人くん、陽炎姫の恋人にして外房州鯨奉行所勤番の秋月数馬は松也さんかな~、琴絵ちゃんの許婚・朱之助は勘九郎さん。縫之助の幼馴染・小夜ちゃんに米吉くん、髑髏検校一味となる狂気の鳥居家長男・座敷牢に囚われの大膳は獅童さんか。あ、亀鶴さんもいいなぁ~。髑髏検校の眷属となった陽炎姫に取り殺される歌舞伎役者・中村富五郎は必然的に検校と一人二役だね。

 と、まぁ・・・随分楽しみながら考えたのだけど・・・。又五郎さんの蘭渓に歌昇さんの数馬ってのも見てみたいし、陽炎姫は後の姿を考えれば猿之助さんでもいいかもしれない。染五郎くんがもうちょっと大人びてくれば縫之助が似合いそうだし、巳之助くんの大膳も捨てがたい。いやまて! 菊之助さんの髑髏検校に菊五郎さんの蘭渓ってのもォォ!

 これ、八月の納涼歌舞伎とかでやってくれないかなぁ。 



FC2 Blog Ranking

theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

2018-09-08

きみに贈る本

『きみに贈る本』

 ここ数年でとみに感じるようになったんだけど、面白い本を探して読むための気力、体力の衰えがひどい。何より、当たりを引き当てる勘がすっかり鈍っている。と、いうわけで一旦、人のオススメに頼ってみようと思って。

 中村文則、佐川光晴、山崎ナオコーラ、窪三澄、朝井リョウ、円城塔。6人の作家がそれぞれ10冊の本を紹介。1作品あたり38文字×30行ほどの短い紹介文に、ご自身の人生の中に何らかの跡を残している作品への想いが凝縮されて、とりあげられたそれぞれの作品がキラキラと光って見える。

 紹介者の言葉や感想にひきずられないように、気になったものはとりあえずタイトルだけ控えておいて、ここに書かれていることを忘れて、このキラキラが薄れてきたころに読んでみようと思う。

 作品へのアプローチの仕方、読むときの視点をどこに置くかという側面から10作品を選んだ円城塔氏。電子書籍で読む『陰翳礼讃』。谷崎がそれを見たら・・・という一文、なるほど。




FC2 Blog Ranking

theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

2018-08-25

本読みの獣道 : 田中真澄

『本読みの獣道』 田中眞澄

 寺田寅彦の随筆集『懐手して宇宙見物』『太宰治 滑稽小説集』がとても良かった「大人の本棚」シリーズ。

 広大な書物の森の道なき道に分け入って、時には生い茂る木々の枝葉に身体を傷つけ、ぬかるむ道に足を滑らしながらもワイルドに突き進むワクワクな読書エッセイが楽しめるかと思ったのだが・・・。

 家に買い揃えられた子供向けの文学全集に始まり、年齢に応じて読むべき書物に恵まれて、またそれらを充分に感受して生い立った著者の読書道は、本書のタイトルから私が期待したようなワイルドなものではなく、折り目正しく教養的な匂いがする。

 親に買い与えられる本を卒業し、ジャンル問わず多種多様、雑多なものを読むようになってからも、読み終えた膨大な書物はそこらへんに雑然と積み上げられているのではなく、身体の中の本棚の在るべき場所にきちんと収められているのだろう。喫煙文化、風俗の諸相や、鉄道・駅をめぐるあれこれを書き留めた二篇はそんな体内の本棚があって生まれるエッセイか。

 著者の読書には独自の作法があり、その作法に対する自負も相当なものと感じる。もしかしたら分け入ったときには獣道であったかもしれない場所も、氏が通った後にはその作法に則って整地され、生い茂る木々も剪定されている感じ。

 日々の楽しみである古本屋めぐりの様子とその収穫の記録「ふるほん行脚」の章も、古本屋めぐりの楽しさや、様々な書物との思わぬ、または念願の出会いの喜びよりも、そうした著者の作法や自負の方を強く感じてしまい、数ページ読むごとにしんどくなってしまう。

 ・・・と、あまりすっきりしない気持ちで読み終えたが、巻末の稲川方人氏による解説を読んで、私の読みようはあまりに表面的であったと恥じる。

 実は、この本を手に取ったのはタイトルに惹かれたのもさることながら、表紙に「稲川方人解説」とあるのが決め手だった。大槻ケンジの詩集『リンウッド・テラスの心霊フィルム』に寄せられた、愛情深く、また予言のようでもあった稲川氏による解説「いつか行ったサーカスを」は、私にとって忘れられない一文なのだ。


  

FC2 Blog Ranking

theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

2018-08-11

U(ウー) : 皆川博子

『U』 皆川博子

 1915年ドイツ。帝国海軍内で秘かに進行する作戦。イギリス軍に鹵獲されたUボート・U13を、機密保持のため、監視の目をかいくぐり自沈させる。本国ではこの危険な任務に志願した水兵ハンス・シャイデマンを救出すべくU19を派遣することが決定された。シャイデマンを見知る者としてこの救出作戦に加わり、U19に乗り込む王立図書館司書ヨハン・フリードホフ。作戦遂行のため、U19は数々の困難が待つ敵地へと向かう。

 続く章では、シャイデマン、フリードホフと同一と思われる人物が、オスマン帝国の強制徴募により周辺国より奴隷として連行されていく少年~シュテファンとヤーノシュとして現れる。

 二十世紀ドイツと十七世紀オスマン帝国~長い時を隔てた二つの世界を、ほとんど変わらぬ姿で生きている者がいる。そして彼らの故郷はトランシルヴァニア。・・・ということは・・・。てっきり、これはヴァンパイアものか、と思ったのは私の早とちり。物語はシュテファンとヤーノシュそれぞれの手記の形をとった【Untergrund】のパートと、作戦決行中のU13内部の様子を語る【U-Boot】のパートが絡み合い、内省的な重苦しさ、閉塞感を湛えて進行する。

 オスマン帝国の奴隷としての生を強いられた少年、シュテファンとヤーノシュ。ある戦闘中に地下の岩塩鉱に落ち込み暗闇を共に彷徨ううち、ごくゆるやかにしか歳をとらない肉体、長い長い時を生きる生命が自らに与えられたことを知る二人。やがてその一人は、自分とは異なる時間を生きる者~生と死を繰り返し世代を重ねて連綿と続いていく命に寄り添い、共に生きることを選び、もう一人は静止したかのような自分だけの時間の中に留まり、周囲を行き過ぎてゆく数多の生に関わることなく、ただ眺めて過ごす。互いの半身のようであった二人の生は分かたれる。


 十七世紀オスマン帝国と二十世紀ドイツ~二つの時、二つの世界は、長い長い生を語る言葉によってやがて一つにつながっていく。それはまた、シュテファンとヤーノシュ、二人の生が再び出会うことでもあったのか・・・




FC2 Blog Ranking

theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

2018-07-28

パンク侍、斬られて候

『パンク侍、斬られて候』 監督:石井岳龍

 感想は? と言われれば、「浅野忠信が、何か・・・・・・・凄かった・・」で、それ以上の感想っていうと、町田康の小説を読んだ時の感想を繰り返すことになる。

 宮藤官九郎のエンターテイメントでありながら薄ら気持ちの悪い脚本、饒舌なナレーション、豪華俳優のアクの強い扮装、演技が渾然となった渦巻き状態。小説が醸していた可笑しさと怖さ、バカバカしさと禍々しさが表裏一体の文学的混沌を、よくもまあ、あそこまで映像化したなぁ・・・と。

 要するに、原作再現度に興奮しているわけで、 「いや、何か凄かった!」って感想が一周まわって「ここまで原作が再現されてるって、つまり、イコールほぼ原作?! じゃ、もう、むしろ映像化しなくても良かったんじゃないィっ?!?!」とかわけのわからないトコに落ちそうになったんだけども、随所に感じるちょっと切なくなるようなキュートさは映像ならではか。

町田康『パンク侍、斬られて候』感想・・・http://neconohitai.blog71.fc2.com/blog-entry-339.html

theme : 映画感想
genre : 映画

2018-07-14

酔ひもせず ~ 其角と一蝶 : 田牧大和

『酔ひもせず ~ 其角と一蝶』 田牧大和

 屏風に描かれた子犬が動くのを見た遊女が次々と姿を消す・・・。

 吉原で一、二を争う妓楼「大黒屋」で起こる遊女消失の謎を、蕉門一の俳諧師・其角とその友である暁雲こと絵師・多賀朝湖~後の英一蝶のコンビが解き明かすミステリー仕立ての時代もの・・・ということだけども・・・。ぐいぐいと引き込まれるほどの筋ではなく、吃驚仰天の展開があるわけでなく、謎解きが鮮やか!なわけでもなく、屏風に描かれた子犬が動くという妖しの要素も何だかとってつけたようで・・・。

 と、いうわけで、ミステリーとか時代小説としてはあまり「読んだぁ~」という満足感はなかった。・・・とはいえ、実のところ私の興味は表紙イラストを目にしたときから別のところにあったわけで。つまり、主人公の男二人~其角と一蝶。

 松尾芭蕉随一の弟子として名も成し、一門をまとめる一廉の大人でありながら、本当の自分と世間との折り合いをうまくつけられず、心に引け目と屈託を抱えている其角。そんな其角には眩しくもある友・暁雲~情味豊かで豪放磊落、よく食い、よく飲み、よく泣き、笑い、何ものにも縛られず好き勝手に振る舞っていながら人を惹きつけ、人に好かれ、それでいて心にどこか暗闇を抱えている男。

 世間には秘している屈託や心の闇を、互いにうっすら隠しつつ、互いにうっすら覚りつつ・・・本当の自分の姿で側にいることのできる無二の友。この小説の眼目ってきっとミステリーとか江戸の風情とかいうことじゃなくて、この其角と暁雲、二人の男の心持ちというか、関係性・・・。これは時代小説というより、むしろあの・・・

 『泣き菩薩』を読んだ時にも思ったんだけど、やっぱり、この作者の読者層がどのあたりなのか気になる~~~


『泣き菩薩』感想・・・http://neconohitai.blog71.fc2.com/blog-entry-747.html



FC2 Blog Ranking

theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

2018-06-23

関ヶ原 : 司馬遼太郎

『関ヶ原』 司馬遼太郎

 昨年、岡田准一の三成、役所広司の家康で映画化された『関ヶ原』。その宣伝文句に『正義vs.野望』と大書されていたのだけど、映画を観たあとも、「関ヶ原の戦いって『正義』と『野望』の対決なんて単純に割り切れるのか?」って喉に小骨が刺さったような心地がしていたもので、原作ではどう描かれているのか確認しなくては! と思っていたのだ。

 読み始めた動機が↑のようなことだったので、純粋に小説を味わうというよりも、小説を通して映画を思い出し反芻するっていう読み方になってしまった(主に島左近の渋かっこ良さとか、福島正則の破落戸ぶりとか・・・この二人は原作のイメージを見事に体現)。

 日本史に残る一大合戦の裏に作者がみた人間悲劇、もしくは喜劇。三成と家康を大将とした対決は『正義vs.野望』というよりも『(三成なりの)正論vs.正論では動いていない現実』という様相。映画の三成は演じる岡田准一くんのカッコ良さでなんとか一方の大将の押し出しを保っていたけど、岡田くんのルックスを持たない小説の三成はどうやっても家康の敵ではない残念感が濃いのが愛嬌。

 日本を二分した合戦に向けて様々な人の行動、思惑が行き交い、渦巻くダイナミックな群像劇。自分の都合で好き勝手に動く人の群れがいつのまにか東軍、西軍の流れをつくっていくさま、あまり悲愴になることなく、どこかさばさばと明るさすら感じさせる力強さで描かれるこの小説の雰囲気は映画の中にもよく再現されていたのではないかと感じた。


  

FC2 Blog Ranking

theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

プロフィール

やぶからねこ

Author:やぶからねこ

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

ブログランキング
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 漫画ブログへ
カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
検索フォーム
カレンダー
10 | 2018/11 | 12
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
魂に喰い込んでます
月別アーカイブ
Powered By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ